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  1. 井の頭線で思うこと5選

    恥の多い生涯を送って来ました。 自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。 自分は東北の田舎に生れましたので、汽車をはじめて見たのは、よほど大きくなってからでした。自分は停車場のブリッジを、上って、降りて、そうしてそれが線路をまたぎ越えるために造られたものだという事には全然気づかず、ただそれは停車場の構内を外国の遊戯場みたいに、複雑に楽しく、ハイカラにするためにのみ、設備せられてあるも […]

  2. 今日のお宿が凄かった話

    自分の目を疑った。 今日の宿は、豪華絢爛な格式高い老舗のお宿と聞いていたのだが、連れてこられたこの場所で目の前に広がる光景はとでも言葉では表すことのできないものであると。 何度見ても、現実感がない。まさに自分自身を信じられないのである。早くこの続きを書きたくて仕方ないが、もったいつけて、それまでの経緯を先に書かせていただく。 話の発端はこうだ。 たばこは児のかっこう窓たちを楽長から見かっこうましま […]

  3. 祇園精舎

    『平家物語』冒頭部分です 祗園精舎の鐘の声、 諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらは(わ)す。 おごれる人も久しからず、 唯春の夜の夢のごとし。 たけき者も遂にはほろびぬ、 偏に風の前の塵に同じ。 口語訳 祇園精舎の鐘の音には、 諸行無常すなわちこの世のすべての現象は絶えず変化していくものだという響きがある。 沙羅双樹の花の色は、 どんなに勢いが盛んな者も必ず衰えるものであ […]

  4. 連絡先は聞いてくれるな

    吾輩は猫である。 名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。 何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。この書生というのは時々我々を捕えて煮て食うという話である。しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。ただ彼の掌に載せられ […]

  5. 今日も酷かった話

    またまた、自分の目を疑うことになった。 昨日も酷いものだったが、今日も昨日にも増して酷いのである。 何が酷いかって? 17時になるころ、あたりはもう暗い。周辺には集落の灯りも街灯もないので真っ暗である。足元が見えない。20センチ先すら見えない、それくらいの漆黒なのである。仕方なく、スマホのバックライトをつける。 暗闇の中、館内を歩いた。 そんなこんなで温泉に入ろうとしたら、急に横から出てきた湯治が […]